■INTRODUCTION
夫婦でありながらおたがい愛人を持ち、その様子を報告し合うふたり。ところが愛人が若い娘と婚約したことから、妻は夫に娘を誘惑するようにけしかける。
フランスで200年も前に書かれたラクロ原作の背徳のドラマ。何度か映画化されており、なかでも1950年代後半に最初に手掛けられたこのロジェ・ヴァディム版はいまもみどころ多数。ブリジット・バルドーをはじめ多くの美人女優と浮名を流したプレイボーイ=ヴァディムがつくった禁断の物語という側面もあるが、映画作家としてもモダンジャズを取り入れ映像美に凝るなど、当時注目を集めたクリエイターのひとりだった。ここで使われたアート・ブレイキーの「危険な関係のブルース」は作品に寄り添い、それだけでなく大ヒットしてその後ブレイキーの代表曲になった。
主演はいまも信奉者の絶えないイケメン俳優ジェラール・フィリップと、当時ヌーヴェル・ヴァーグのミューズ的存在になりつつあったジャンヌ・モロー。36歳で早世したフィリップはこれが遺作、一方、昨年亡くなったモローの代表作のひとつでもある。60年近くを経て4Kデジタル・リマスター版でよみがえった。
(2018年3月15日 記)
●危険な関係ー4Kデジタル・リマスター版ー|3月24日(土)~YEBISU GARDEN CINEMAで限定公開 監督:ロジェ・ヴァディム
出演:ジェラール・フィリップ/ジャンヌ・モロー/アネット・ヴァディム/ジャン=ルイ・トランティニャン
1959/2018年(110分) 配給:セテラ・インターナショナル 原題:LES LIAISONS DANJEREUSES 1960
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